貸倒れによる損失を避けるための対策と対処法
取引先が倒産したらどうする? 倒産した場合の債権回収方法
掛取引では、いくら売上をあげても回収できない限り、貸倒れというリスクが付きまといます。
仕事には人件費や材料費などさまざまな目的でお金が必要になるため、経営を安定させるためにも、貸倒れを防ぐこと、そのためにも貸倒れが発生しないようにするために対策をとることが大切です。
ここでは、貸倒れのリスクを軽減する対策についてご紹介します。
知っておくべき、売掛金の時効
貸倒を防ぐために、まずは売掛金の種類ごとの時効を知っておきましょう。
売掛金は発生してから一定時間経過すると消滅する時効「消滅時効」があります。
消滅時効の期間は種類によって異なります。
1年で時効:運送料、宿泊代、飲食代
2年で時効:月謝や教材費。製造・小売・卸売業の売掛金
3年で時効:診療費。建築・設計費用。工事費用
5年で時効:上記以外のもの
債務者が事項を主張することで条件が成立するため、いつの契約か確認しておくようにしましょう。
なお、民法の改正により、短期消滅時効の規定は撤廃されることとなりました(施行日2020年4月)
売掛金回収のために事前にできること
・取引先の信用調査を行う
契約前にはお客の信用調査を行いましょう。
信用度合いに基づいた与信枠を会社で設定しておくことが大切です。
・支払日や振込日を把握しておくこと
契約している企業ごとに、支払日・振込日を把握しその日のうちに確認することを業務の1つとしましょう。
・催促メールや電話をする
支払い期日が近づき、残り1週間を切っても振り込みが確認されない場合は、電話やメールなどでアラートをかけるなどのルールを作っておきましょう。
「取引先企業に突然催促するのは関係を悪くする恐れがある」と考える方もいますが、契約時に「期限1週間前までに支払いが確認されない場合はこちらから確認の連絡を差し上げます」などと話しておくと良いでしょう。
それでも売掛金の回収が難しい場合
・連帯保証と抵当権設定
少額の債権が継続的に発生する売掛金は1つ1つに担保を設定することは困難ですが、不可能ではありません。
担保物件として、個人の連帯保証や土地や建物などの抵当権が広く扱われています。
経営者が所有する不動産などを抵当権として設定することで、支払いが不能になったとき、優先弁済権を得ることができます。
・保証会社、セーフティネット貸付を利用する
売掛金の保証会社を利用するのも1つの案です。保証会社は審査をしたうえで保証金を設定、売掛金が回収できなくなった場合にその損害額を支払ってくれます。
また、日本政策金融公庫運営する融資制度があります。
これは、取引先企業が倒産など経営に支障が生じた場合に、円滑な資金供給を確保する制度です。
個人事業では最大3000万円、中小企業では最大15000万円の融資を受けることができます。
売掛金が回収できないトラブルを避けるためには、契約前や契約時にできることから、もしそうなったときにどう動くかという2つの選択肢があります。
取引先企業や、売掛金の金額、数などによって、適切な対処方法がことなるため注意が必要です。
取引先と契約を結ぶ前に、どのような対策を取り、どのように対処したら良いかを専門家に相談して確立しておくことをオススメします。