契約時その3 契約書は必ず作ろう!
よくあることですが、依頼者の中に「相手を信用して契約書を作りませんでした。」「契約書を作って欲しいと頼んだのですが、相手方『私のことを信用していないの?』などと言われ、結局契約書を作りませんでした。」と言われる方が大勢います。
しかし、契約書は絶対に作らなければなりません。
私は、後になって、「そんなお金は借りていない。」「お金は借りたけど、そんな大金ではなかったはずだ。」などと言いだす借主を多く見ています。
お金を借りている人、とくに返済ができないような状態にある人は、自分の身を守るため、ありとあらゆる手段をとってくるものです。平気で嘘を言ってくることもあります。
もし、相手から「お金は借りていない。」と言われたらどうなるでしょうか?
貸した!借りてない!との言い争いとなり、結局、話し合いでの解決は難しくなり、最後は、裁判所に判断してもらうしかなくなります。
では、裁判所はどのように判断するでしょうか?
お金の貸し借りの場合、お金を貸した側が、裁判所に「確かにお金を貸した。」との心証を抱かさなければなりません。
これを証明するといいます。裁判所が、「貸したかもしれないけど。」との心証を抱いたに過ぎない場合、あなたは現実にお金を貸したのにも関わらず、裁判では負けてしまいます。勿論、お金は戻ってきません。
勿論、契約書がなくても、お金の貸し借りを証明できる場合もありますし、相手がお金を借りていることを認めることもあります。
ですから、絶対にあきらめるべきではありません。
お金の貸し借りの約束を金銭消費貸借契約といいますが、金銭消費貸借が成立するためには、「相手にお金を交付したこと」、「返還の合意をしたこと」の2つの事実が必要です。契約書の作成は金銭消費貸借契約の条件ではありません。
ようするに、2つの事実が証明できれば、お金を返せ!!と積極的に言えるのです。
契約書を作成していない場合でも、その後のメール等のやり取り、相手からの返済の事実、その他色々な周辺事情から、「お金を返せ!」と積極的に言える場合もあります。
しかし、裁判で負けてしまうリスクをできる限り避けるためにも、また相手の「借りていない。」との言い逃れを封じるためにも契約書は絶対に必要です。
※ 契約書といっても、「契約書」という名前の書面があればいいというわけで はありません。内容のしっかりとした契約書でなければ意味はありません。
契約書の作成につきましては、是非一度、お問い合わせください。