大家を悩ませる「家賃滞納リスク」と回収の流れ
大家を悩ませる「家賃滞納リスク」と回収の流れ
近年では、投資のプロに限らず一般投資家にも不動産に投資する人が増えており、「サラリーマン大家」となる人も少なくありません。
個人で不動産を所有し、賃貸経営を行っている人にとって悩ましい問題の一つが家賃滞納です。
家賃滞納によるリスクと、滞納された家賃を回収するための流れについてお伝えします。
家賃滞納によるリスクとは
賃貸経営のリスクと言えば「空室リスク」が一番に取り上げられることが多いですね。
入居者が見つからず空室の状態が続けば、その間の賃料収入が得られず利回りが低下してしまうためです。
しかし、入居者さえ見つかれば安心かと言えばそうではありません。
入居者がいるにも関わらず家賃が支払われない「家賃滞納リスク」は、空室リスクにもまして厄介な問題です。
\空室の場合は、空室の期間の家賃が損失になるだけですが、滞納の場合、滞納期間に家賃収入を得られないばかりか、その期間中、新しい入居者を募集できない機会損失にもつながります。
また、家賃が入金されていないとしても、会計上は未収金という扱いになるため税金を支払う必要も出てきます。
そうして、家賃を滞納して居座り続けた結果、ある日、入居者がいなくなって連絡が取れなくなってしまう可能性もあります。
部屋に所有物が残されていた場合には強制執行を行って解決するよりほかなく、その分の費用もかかってしまうのです。
滞納家賃回収の流れ
できるだけ交渉で解決するためにも、家賃を滞納された場合には速やかに対応することが大切です。
家賃回収の一般的な流れを把握しておきましょう。
(1)口頭、電話などでの請求
数日程度の遅延の場合は、うっかり支払いを忘れていたケースや支払い手続きをする時間が取れなかったケースなども考えられます。
最初は電話などで請求を行うのが一般的です。
(2)連帯保証人に連絡する
借主本人に連絡が取れなかった場合などは、連帯保証人に連絡して状況の説明などを行います。
連帯保証人から借主に連絡を取ってもらえる場合があります。
(3)内容証明郵便による督促
口頭での請求に1ヵ月ほど経っても応じてもらえない場合、借主と連帯保証人に対して内容証明郵便で督促を行います。
(4)契約解除通知および明け渡しの請求
内容証明による督促にも応じてもらえない場合は、賃貸借契約の解除と明け渡しを求める旨などを借主と連帯保証人に内容証明郵便で送付します。
(5)明け渡し請求訴訟
家賃滞納が3~4ヵ月になり、賃貸借契約の解除を通知したにもかかわらず退居してもらえない場合には明け渡しを求める裁判を提訴することになります。
借主や連帯保証人が出頭してきた場合、和解に至るケースもあります。
(6)強制執行
裁判で勝訴となった場合には、明け渡しの強制執行を行うことになります。
こうした滞納家賃の回収は個人で行うこともできますが、やはり法律のプロに任せるのが賢いやり方です。
弁護士に依頼することで、裁判を行うまでもなく交渉で解決できる可能性も高まります。
家賃滞納問題が生じた際には、すみやに当事務所にご相談ください。