支払いの督促には「内容証明郵便」で! メリット・デメリットとは
ビジネスの取引のなかではあまり起きて欲しくない厄介なこともときにはあるものです。
債権や売掛金を相手が支払わず、回収できないというのもその一つです。
そんなときの手段のひとつが内容証明郵便による督促です。
その概要と作成法、メリット・デメリットをご紹介します。
内容証明郵便とは
内容証明郵便とは日本郵便が郵便の内容を証明するものです。
具体的には差出人、宛先、送った日時、その内容を証明するものです。
内容証明郵便は相手が受け取ったことで効力が生じます。
相手がいつ受け取ったかを知りたいときは配達証明をオプションサービスで申し込むことができます。
内容証明郵便を督促に利用するメリットは「相手へのプレッシャー」
内容証明郵便で送ることによって相手がプレッシャーに感じ、承諾に至ることもあるのです。
具体的には以下のようなことです。
・内容証明郵便という形で送られる
・法的手段の前段階という意思表示
・裁判になったときの証拠になる
などです。
内容証明郵便は弁護士名義で送付すると法的手段に出ることを印象付けさせ効果的なものになります。
また内容証明郵便を送ることで売掛金の時効を一時的に中断することが可能です。
基本は相手に到達してから6ヶ月間です。この間に別途裁判手続を採ることが前提となります。
内容証明郵便を督促に利用するデメリット
■内容を強制するものではない
送ったからといって法的拘束力が生じるというものではありません。
あくまでも相手に支払いを促す効果のものです。相手が内容証明郵便の意味合いを理解していなかったら単なる督促として見なされるでしょう。
■態度の硬直化を誘うことも
相手を責める態度に捉えられ、「だったら裁判にしてくれ」との強硬姿勢を取られるかもしれません。
また長期的な取引相手にすぐさま内容証明郵便を送るのは関係がこじれる危険性があります。
内容証明郵便の作成法
・用意する文書の枚数
文書は差出人の控用、郵便局保管用、受取人分を用意します。
・用紙
内容証明専用用紙が市販されていますが、特に指定等はありません。
封筒の住所は内容証明の本文に書いた住所氏名と同じものを書きます。間違わないように注意です。
・書式
縦書き横書きでも1枚当たり520字以内とし、
(縦書きの場合)1行20字以内×1枚26行以内
(横書きの場合)1行13字以内×1枚40行以内
1行26字以内×1枚20行以内
1行20字以内×1枚26行以内
となります。
内容証明郵便に使えるのはひらがな、漢字、数字、英語(固有名詞以外では使ってはいけない)の他かっこ、句点、句読点などです。
句点や句読点も1字に含まれることにも注意しましょう。
■訂正方法
訂正する場合は該当文字に二重線を引いてから正しい文字を横(縦書き)または上(横書き)に書き加えます。
縦書きであれば該当個所の上部欄外または末尾余白に、横書きであれば右欄外または左欄外に「5行目3字訂正」「7行目5字削除(加えるときは「加入」)」といったように記載します。
そこに差出人の個所で捺印した印鑑と同じもので捺印します。差出人が複数いる場合はすべての人の捺印が必要です。
■捺印
文書内の差出人氏名の下(縦書き)または右(横書き)に捺印をします。
内容証明郵便は法的拘束力のないものですが相手を促す上で効果的です。
いきなり強硬な手段に出ることもためらわれるので相手の様子を見て内容証明郵便を利用するという形を取るのが良いのではないでしょうか。
相手との関係性を見極めることが重要です。