時と場合で臨機応変に! 売掛金が未払いになる理由と対処法
掛取引を多数行っていると、売掛金が支払われないこともあります。
売掛金が支払われない場合は、その理由に適した対処をしなければいけません。
ここでは、売掛金が支払われない主な3つの理由とその対処法についてご紹介します。
■ 資金繰りの問題で支払いができない場合
資金繰りの問題で支払いが遅れている場合は、以下の3つに状況を分けて考えることがポイントです。
・一時的に資金繰りがつかなかったものの、数カ月以内に支払える見込みがある場合
・資金繰りが苦しい状態が続いており、将来的に払えるか不明である場合
・すでに破たん状態のため、支払える見込みがない場合
これらの場合、回収に時間をかけていると相手方の支払い能力がさらに低下する可能性があります。このため早急な回収が必要です。
まずは、電話を掛けるなどの任意での回収方法を行い、対応が鈍い場合は強制的回収法へ速やかに移行しましょう。
すでに破たん状態である場合は、法的処置に入られる前に少しでも回収できるよう、弁護士などの専門家に相談しましょう。
■ 提供した商品・サービスにクレームがある場合
クレームにも2つの場合が考えられます。
・製品やサービスに対して想定していた実績や効果が得られなかった場合
・クレームを入れて、支払い額を値切ったり支払日を遅らせようとしている場合
まず、取引先と話し合いの場を設けましょう。話し合いの結果、正当な理由であれば、今後の改善を条件に支払日や支払金額などを調整することになります。
しかし、当初はこちらの債権残高を認めていても、支払日が近づくと金額の値引きや延長を目的とした言いがかり(クレーム)をつけてくるケースもあるため注意が必要です。
この場合“今後も取引を続けるか否か”がポイントです。
取引を続ける場合は先に紹介したように調整を行いましょう。
今後、取引を行わない場合は、いきなり法的手段に訴えることも視野に入れておきましょう。
その際は債権残高がいくらあるかとい証拠を裁判所に提出する必要があります。
このため、取引先からの入金が遅れている場合は、クレームになる可能性も踏まえて「○年〇月〇日時点で、御社に対する未払い売掛金は□□円であることを確認します」という文書を取引先にもらっておくことも大切です。
■ 支払い漏れ(管理ミス)
売掛金の未払いは、取引先の支払い漏れや期限の勘違いである場合も考えられます。
この場合、電話などで先方に未払いであることを知らせることが大切です。
電話で連絡後、先方にミスを認知してもらったら支払いは翌月にせず、できるだけ早く支払ってもらうよう依頼してください。
また、取引を続ける場合は期日を前倒しにするか、期日前に連絡をするなど対策をとありましょう。
売掛金の未払いにはいくつかの理由が考えられ、それぞれに対象方法も違ってきます。また今後も取引を続ける場合には上手に交渉していかなければなりません。
当人同士での話し合いでは、要らぬいざこざを招いてしまう恐れがあるので注意が必要です。債権の回収に関して話し合いを設ける場合は債権回収の専門弁護士を交えることをおすすめします。